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ストレスをなくさなくてはどんなに休んでも意味がない。医師が警告する現代病。

自律神経研究の第一人者が直伝する日本人の休み方②

ストレスが大病を招くことも

──いわゆる「自律神経失調症」と言われる状態に陥るということですね。?

「過剰なストレスは心身をむしばむ」ということは、たいていのビジネスパーソンは理解しています。「眠れない」「イライラする」「胃が痛む」「下痢を繰り返す」といった症状があると、「ストレスのせいだな」と認識するんです。

 ただ、どうしていいか具体的な対処法がわからないから放置してきた、というのが現状だったのではないでしょうか。

 でも、なめてはいけません。最近になって脳科学や分子生理学の研究が進むにつれ、ストレスが及ぼす心身への悪影響が明らかになってきました。

 まず、ストレスがかかるとコルチゾールというホルモンが分泌され、コルチゾールが過剰になると脳細胞が破壊されます。脳細胞が破壊されれば、認知症やうつ病にかかりやすくなるということはわかるでしょう。

 さらに、ストレスで自律神経が乱れ心拍数や血圧、血糖値などが上がることで、血管を傷め、重篤な心疾患、脳疾患を誘発し突然死を招きます。
 免疫力の低下により、がんも悪化させます。

 ストレスは「ちょっと調子が悪くなる」くらいの話ではなく、命を奪う可能性があるわけです。こうした命に直結するようなストレスを「キラーストレス」と呼び、大きな問題として扱われるようになっています。

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小林 弘幸

こばやし ひろゆき

1960年、埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。1992年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導にかかわる。著書に『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(KADOKAWA)『自律神経が整う時間コントロール術』(小学館)『「ゆっくり動く」と人生がすべてうまくいく』(PHP研究所)など多数。


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